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「リベリオン」

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リベリオン
監督:カート・ウィマー
脚本:カート・ウィマー
主演:クリスチャン・ベイル
2002年公開/アメリカ/アクション

 

■あらすじ
第三次世界大戦により未来を危惧した人類は、争いを生む"感情"というものを排除することで存亡を図ろうとしていた。
"ファーザー"と呼ばれる指導者が統治する独裁国家の元、人類は感情をなくすために"プロジアム"という薬を摂取することを義務付けられていた。その規則に従わず、感情を促すような芸術品や娯楽を所持する者を"感情違反者"として犯罪者扱いし、その烙印を押された者は"クラリック"と呼ばれる特殊な訓練を受けた処刑人たちが容赦なく罰していた。
第一級クラリックである主人公プレストンもそれまで他の国民同様、ファーザーの指導に従い生きてきたが、ある出来事をきっかけに感情が芽生え始める。それが次第に彼自身の葛藤とその国の行方をも左右していくのだった。

 

■書簡

※ネタバレあり※

近未来のディストピアが舞台のSF作品。
国に仕えることを最優先事項とし、そのためなら人の命も平気で奪うような機械的な人生を過ごしてきた主人公。まさに綾波レイ状態だったが、感情違反者となってしまった相棒を処刑したことで己の中に生じた亀裂と、プロジアムの摂取を怠ったがために感情が次第に芽生え始める。そして、ある日突然、降りしきる雨の中で輝く朝日、階段手すりのステンレスの冷たい感覚、蓄音器から流れる音の旋律、スノードームに舞う雪、愛する人の残り香の美しさに気付く。生まれて初めて世界のすべてを繊細に感じ取るシーンの数々には心を打たれる。クリスチャン・ベイルの演技もとてもいい。

それまでの己の行いに疑問を抱いたプレストンは、感情違反者の烙印を押された心が豊かなレジスタンスたちとの交流などを通して、この世界の在り方を変えるべく国家の転覆を狙う。

「アクションがかっこいい」との事前情報があったが本当にめちゃくちゃかっこいい…!
処刑人であるクラリックは"ガン=カタ"と呼ばれる独自の戦闘術を駆使するが、東洋武術と銃撃を組み合わせたようなもので一人で何十人という敵を一掃するほど強力な戦闘術という設定。
これは説明するより見た方が早いと思うのでぜひご視聴あれ。

全体的によくある舞台設定だったり、ストーリーの矛盾点なども散見されるのだが、それに目をつむっても非常に引き込まれる作品。